道化師の涙
少し前に個人的ベスト100という記事を書いて、RCは『シングルマン』『BLUE』の2枚を選んだけど、実はもう1枚入れたかったのが86年の5年振りの日比谷野音公演を収録したライヴ『the TEARS OF a CLOWN』 数あるRCのライヴ・アルバムの中でも一番好きな作品だ。
これはもう、ストーンズで云えば『スティル・ライフ』っていうか、日本のメジャーなロック・シーンで初めてバンドの歴史の重みを感じさせられたアルバムだった。当時、ラジオ番組で渋谷陽一が “子連れの客が居てしみじみしてしまった”と言ってた記憶もある。「ルージュマジック」~『BEATPOPS』あたりをピークとするミーハー人気も完全に沈静化し、残ったファンはバンドと一緒に年を重ね始めたわけだ。日本のロックが初めて成熟を迎えた時だったのかもしれない。
そこで懐かしい久々の曲を演るRCは、上昇期のトガッた雰囲気よりも随分あったかいカンジがする。冒頭の蝉の鳴き声、「Sweet Soul Music」に挿入される「Strawberry Fields」、全篇に亘ってやけにむせび泣くBLUE DAY HORNS 何ともノスタルジックで切ないんだよね。
そんな作品に「TEARS OF CLOWN」とタイトルをつけてしまうところがイイなぁ。ジャニスの「チープスリル」をパロったジャケもとてもイイ。
俺がこのアルバムで一番好きな場面。チャボの「打破」が終わり、清志郎やチャボの名を連呼する客の声。そこに「スローバラード」のあのピアノのイントロが聴こえてくると、一人の女性客が悲鳴にも近い歓声をあげるところ。何度聴いてもグッときてウルウルしちゃうんだよなぁ。
5日後となった武道館で、歳を重ね涙腺がユルユルになった俺は、ウルウルぐらいで済まずに号泣しちゃわないかちょっと心配。さすがに恥ずかしいもんな。
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ある意味RCの集大成といった感じのアルバムですね。
俺もこれは好きです。
確か何年かぶりの日比谷野音でしたっけ?
2月10日はどういうライブになるんすかね?
投稿: マイト | 2008年2月 7日 (木) 12時28分
>マイト様
どうなるにせよ、お互いとことん楽しみましょうね!
投稿: LA MOSCA | 2008年2月 7日 (木) 18時31分