偉大なるロックン・ロールの詐欺師
ひとつ前の記事へのマイトさんからのコメントではじめて知った“偉大なるロックン・ロール詐欺師”の死。
マルコム・マクラーレン、2010年4月8日、ガンで死去。享年64歳。
正直に書こう。
昨年のあの日以降、とてつもない大ファンとはいえ、個人的な知り合いでもない人の死について、あーだこーだと書き連ねるのに罪悪感のような気持ちを感じることがあった。
俺、父親と妹を亡くしてるから思うのかもしれないけど、やっぱり身内を亡くしたのとは圧倒的に違うんじゃないかと。本当に深く悲しんでるとはいえ、俺とは比較にならないくらい悲しいであろう身内の人に悪いような気もして。決して軽い気持ちで書いてるつもりじゃないけど、なんかね・・・。
でも。
好きだったからね、マルコム。やっぱり寂しい。
ピストルズ・ファンでもマルコムに否定的な人も居るよね。バンド側との確執もあったし、結局、裁判で負けてあらゆる権利を失って。それがピストルズの再結成の大きな要因にもなったんだと思う。それが良かったのか悪かったのか・・・。
ジュリアン・テンプルが監督の2本のピストルズの映画
『THE GREAT ROCK‘N’ROLL SWINDLE』と『FILTH AND THE FURY』
俺は圧倒的に『スウィンドル』が好き。
あの、馬鹿馬鹿しくて、胡散臭くて、ガキ臭くて、下劣なトコがピストルズだと思うから。全部とは言わないけど、マルコムの色もかなり入ってるよね。
小難しい思想的なトコ抜きにして、単純にミーハーにカッコイイと思う。ここでのマルコム。
この、メチャクチャな髪型で、素っ頓狂な声でインタヴューに応えてるシーンとかインチキ臭くて大好き。
あと映画のセリフとはいえ、記者会見のシーンで「(この詐欺を)いつから考えてたんだ?」と聞かれて「10歳の時からだ。エルビスが軍隊に入ってからずっと」と答えるトコもいいね。
後年、パンクのヒストリー・ビデオかなんかで、ドールズのジャーマネ時代にNYでリチャード・ヘルをはじめて観た時「ロンドンの服屋として穴だらけのTシャツに感銘を受けた。穴の位置が絶妙だった(笑)」と語ってたのも大いにウケたな。
主に80年代に行ってた自身の音楽活動にはあまり興味も持たなかったし、よく知らないけど(大ヒットしたバッファローなんとかってのぐらいしか知らない・・・)、サイコーにいかしたヤツだったと思う。
ピストルズのメンバーはじめ、関わった人たちが言うように、ずるくてイカレてて嫌な野郎だったとしても・・・。
今夜はコレ観よう。
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こんばんはー
僕はLA MOSCAさんほど詳しく知らないんだけど、やっぱ残念ですねー
『THE GREAT ROCK N’ROLL SWINDLE』をレンタルしてきて、一昨日はDEBUTANTEさんとこで色々話して、店主さんのブログ見て知って、『これはLA MOSCAさん』に言っておかないと思って・・・
まぁお互い悲しいというのは同じなんですが、確かにファンと当事者(遺族とか)は捕らえ方がまったく違いますからね。
投稿: マイト | 2010年4月10日 (土) 04時39分
>マイト様
“『これはLA MOSCAさん』に言っておかないと思って・・・”
こんなふうに思っていただけて嬉しいです。
ありがとうございます!
DEBUTANTEってマイトさん行きつけのパンク屋さんだっけ?
そのうちゆっくり読んでみます。
なんかね、マイコーや先日のキムタクの時にいろいろ思っちゃいましたね。
投稿: LA MOSCA | 2010年4月10日 (土) 22時28分