TERMINAL BOREDOM
昨日の記事を書くとき、“ベースレス・・・”って考えて最初に頭に浮かんだのはCRAMPS。それからJON SPENCER BLUES EXPLOSION。
“なんか大事なモノ忘れてるなぁ”と考えてて思い出したのがコレ。
P.I.L.(Public Image LTD.)、3枚目のスタジオアルバム。81年リリース。
サウンドの要だったベーシスト、ジャー・ウォーブル脱退の穴埋めをせず、ジョン・ライドン、オリジナル・メンバーでギターのキース・レヴィン、前作のライヴアルバムから参加のドラマー、マーティン・アトキンス、ビデオ・アーティストという触れ込みだったけど実際には何をやってるか謎だったジャネット・リーの4人で作られたこのアルバム。
曲によってはベースも入ってる(たぶんレヴィンが担当)けど異常な編成だよね。
ベースどころかギターもろくに入ってない。レヴィンによると思われる、シンセだかテープだかによる中東風ともいえるサウンド・コラージュ。あとはひたすら馬鹿デカいドラム。その上にライドンの、悲痛なようにも怒ってるようにも、熱いようにも冷めたようにも聴こえる肉声のみ。
パンクロックのパイオニアだったライドンによる極限というか終着点。ピストルズでそれまでのロックをブッ壊し、P.I.L.でパンクを壊して続けた男の最終更新。コレ以降のP.I.L.は真逆に振り切れた全くの別物だと思う。まぁ、以降の作品も嫌いじゃないし、『album』とかはスゴイと思うけど、名義は同じでもP.I.L.=ジョン・ライドンってカンジだよね、コレ以降は。
P.I.L.の到達点というかパーフェクトな作品って意味じゃ、ウォーブルも居る1stか『METAL BOX』挙げるべきなんだろうけど、俺はコレが一番。
聴いてて不安になってしまうような感覚が今回、久々に聴いても、まだ若干あったことに驚愕。
もう30年も前だぜ、コレ。
恐るべし。
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