半分こっちで半分あっち
フォローしてる若い(俺の半分以下・笑)男の子が「初めて知った、いい」とツィートしてたのを読んで嬉しくなってMATTHEW SWEETを聴いてる。
ここでマシューのこと何回書いただろう?
多分、ほぼ毎回書いてると思う、この人は『GIRLFRIEND』だけの一発屋でもないし、単なる“ギターポップ”“パワーポップ”の人じゃないって。
そんな単純じゃない。もっと奥が深いんだよ。
個人的には『GIRLFRIEND』に匹敵するぐらい、もしかするとそれ以上に好きな99年リリースの『In Reverse』
まぁ、そういうこと言うヤツ、俺の他には悪友Mクンとブログ繋がりのこの人ぐらいしか知らないけどさ(苦笑)
最初の2枚がコケて、起死回生で作った『GIRLFRIEND』で陽の目を見たマシュー。その後の3枚、『Altered Beast 』、『100%FUN』、『Blue Sky on Mars』も悪くはなかったけど、どうも『GIRLFRIEND』の呪縛から逃れられてないような部分があった。それはきっとマシュー本人だけじゃなく、俺たちリスナーも。
ギターを主体とした4ピースによる生なバンド・サウンド。それはそれでマシューの持ち味だし素晴らしいけど、ようやく別な面を見せてくれたのが本作。
1曲の中にドラム、パーカッションの打楽器4人、ベース(アコースティック、エレキ)2人、鍵盤が3人、ギターが5人。他にテルミンや管楽器なんて曲が数曲。一番多い曲で総勢17名が参加。
メンバーの中にはビーチ・ボーイズの『ペット・サウンズ』にも参加してたベーシスト、キャロル・ケイや、『GIRLFRIEND』以降の殆どの作品に参加しててベックやスマパン等、そちこちで活躍してるスティール・ギターのグレッグ・リーズ、1stから『Altered Beast 』まで参加し、2nd『EARTH』では共同プロデュースも務めた俺のフェイバリット・ドラマー、フレッド・マー(リチャード・ヘル、ルー・リードの名作にも参加!)の名前もある。プロデュースはストーンズ、レッチリ作品も手がけたジム・スコットとマー、リーズ、マシューの4人。
キャロル・ケイが居るからって訳じゃないだろうけど、『ペット・サウンズ』を思わせるような、あるいはフィル・スペクターを思わせるような重層的な音作り。エコーたっぷりで聴いてて気持ちいい。マシューにも合ってる。でもサウンドは変わってもメロディーはいつものとろけるように甘くて切ないマシュー節全開でサイコーだ。
当時、夢中でコレクションしてたというマーガレット・キーン作の『イエスタデイズ・ドールハウス』という絵を使用し、その絵の中にマシューが入っちゃってるアートワークも、ふたつの異なる世界の共存を意味するタイトルやテーマ(2000年目前のリリースで1曲目の「Millennium Blues」もそんな歌詞だった。♪半分こっちで半分あっち♪とか)もとってもいい。
4つの仕上がってない短い曲を繋げた最終曲。たまたまキーが同じで、天候と人生をなぞらえたような歌詞も合ってる。
他に見つからなかったから貼ったけど、これだけじゃなく他にもいい曲いっぱいあるんで、少しでも興味持った人は聴いてみて。中古ですごく安く出てると思うから(笑)
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コメント
呼ばれたので来ました(笑)
いいアルバムですよね。タイトルにひっかけてケースも逆さまになってるところも凝ってます。
投稿: yas | 2011年3月 2日 (水) 22時55分
おお!マシューについて熱く語っている方がいらっしゃるなんて!
一発屋ではなく、地道に良い曲だしてますよね♪
根っこが宅録だよなというマシューの曲形成に漂う匂いが好きです。
投稿: 淡々ロッキュー | 2011年3月 3日 (木) 08時37分
>yas様
お呼びだてして申し訳ありません(笑)
コレが名作だ!って言った時に賛同してもらえたのが嬉しかったので・・・。
うん、音のみならずアートワークもサイコーですよね。
>淡々ロッキュー様
初コメ、ありがとうございます!
根っこが宅録(笑)
確かに。
そういう雰囲気も魅力ですね!
投稿: LA MOSCA | 2011年3月 3日 (木) 22時27分