正しい心が、すべての人の中に宿ることを俺は祈っているんだ
じっとり、ねっとりとした嫌な暑さだったな、今日。大嫌いだ、湿気。
今年の夏はカラッとした夏らしい日があまりなかった気がする。9月、いや、10月ぐらいになっても暑い日あったりするけど、この時期になると“夏も終わりだな~”って気がするね。こんな歳になってもちょっぴり切なくなる、8月の終わりは。
今夜聴いてるのはコレ。
町田町蔵+北澤組の『駐車場のヨハネ』 94年3月リリースのアルバム。
コレの2年前の久々のカムバック作、『腹ふり』が個人的な町蔵のベスト作だと思ってるというのは、ココで何度となく書いてきたけど、コレも引けをとらないぐらいイイ。
76分という長尺で盤からはみ出そうな勢いだった『腹ふり』と比べると、45分とコンパクトにまとめられてて、1枚のアルバムとしての完成度という意味ではこっちの方に軍配が挙がるかもしれない。
リリース時のDOLLのインタビューで
「CDは長く入るから入れてしまうけど、前みたく10何曲も入れるんはしんどいなとか話してて、そう言うたらLPちょうど良かったなと。“昔は良かった”って肩叩いて泣いて(笑)で、泣き止んでから、この長さにしたんです」
とか言ってたっけ。
で、何で今頃、聴いてるかというと、昨日の記事書いててコレにも「祈り」って曲があったのを思い出して。
ひとつのセンテンスをいくつもの曲で使うことの多い町蔵、このアルバムでは“祈り”、そして“光り”という言葉が何度も登場する。“光り”なんて今、歌詞カード見てたら10曲中、7曲に出てくる。“祈り”は4曲。
「愛してる」は大槻ケンジに「町田さん、CDが売れるには“愛してる”って言葉を入れるといいですよ」と言われたからって言ってたな(笑)それにしても言い過ぎだよな(笑)
♪パンと葱を一緒に食うんだ、仲良くしろよ、愛しあうんだ♪といういかにも町蔵な歌詞のタイトル曲、♪だから本当の事実を教えよう、駅で見た最低の人達に、ライヴハウスで見た最低のミュージシャンに、満員電車の中の最低の私自身に、氷の中から十手をかざして、救助を求めて声を上げたんだ♪という歌詞に思わず唸らされた「労働ケトル」など他の曲も粒ぞろい。
歌詞のことばっかり書いちゃったけど、このブッ飛んだ歌詞に説得力を持たせる北澤組の音がまたスゴイ。『腹ふり』とコレの2枚でベースを弾いてるのは、これまた何度となくココでフェイバリット・ベーシストと言ってる西村雄介。カッコイイんだ、コレが。
とは言え、やっぱりスゴイな、歌詞。
このアルバムを最後に町蔵から康に改名しちゃうんだけど、今思うとそれも納得。この後のもいいんだけど、何か作り込みというか作為を感じるからな。いや、コレも頭使って言葉選んで書いてるんだろうけど何かが違うような気がする。
最後にもう1曲。
アルバムの冒頭を飾る曲。
♪不義や無道が行われている♪という唄い出しに“ドキッ”とする、今聴くと。
♪あなたがたはでたらめなんだ♪という言葉はアルバムの広告のコピーになってた。
町田町蔵、最後の壮絶な作品。
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