LA MOSCAが選ぶ 人生に影響を与えた45曲 その40
パソコンがクソ重い。イライラする。そろそろ買い替えかなぁ?
午前中の雨、合羽の隙間から背中に落ちた雫が冷たかった。冬が近づいてる。何があっても時間は止まらず先へ進んでるんだな。
昨日に続き、人生に影響を与えた45曲。今日は40曲目。
Cornelius - Another view point
CORNELIUSの2001年のアルバム、『POINT』より。
小山田圭吾はフリッパーズ・ギターの解散後ぐらいから聴き始めて、コレの前の『6996』と『ファンタズマ』の2枚の流れはスゴイと思ってた。パーフリのラスト作、『ヘッド博士~』から続く、大胆なサンプリング、そしてそれが単なるギミックに終わらない音楽としてのクォリティーの高さ。特に『ファンタズマ』。機材の進歩と本人の深化もあって、この手法のピークだったと思う。何でもブチ込んで混ぜて出てきた音は紛れもないコーネリアス印という奇跡的な傑作。
だから『ファンタズマ』から4年を経てリリースされた『POINT』を聴いた時は驚いた。拍子抜けしたというか。
これまでの“足し算”方式の真逆のような音数の少なさ。前2作の過剰さはかけらもない。収録時間も45分半というコーネリアスにしてはあっけない短さ。
最初は聴いてて物足りなかった。ちゃんとメロディーを唄った曲も少なめだし味気ないなぁ、と。
でも何度も聴いてるうちに、何度目かにこの曲でハッとして。単純な進行なのに滅茶苦茶カッコイイ。だんだんわかってきた、意図するところと、このアルバムの凄さが。
この完成度の高い作品をプログラミングとストリングス以外、全てひとりで演奏してるというのも驚異的。
「全部の音に自分の意識が入ってるというのがいいかなぁと思って」
的を絞って本当に必要な音だけを最小限に、効果的に鳴らして作られた、まさに“点”のような音楽。
「音が鳴ってない時があってはじめて鳴ってる時があるというか、鳴ってないところを意識することで、より鳴ってるところを意識することになる」
「スネアが鳴ってる時はスネアだけでギターとベースは鳴ってないとか、順番に音が出てくるような構成を多くした。それだと、より音の鳴りが細かく聴こえるっていうか、ひとつひとつの音によりフォーカス出来るという」
リリース当時の小山田のインタビューでの発言より。
このブログを長く読んでくれてる人は嫌というほど知ってるだろうけど、俺は、アーティストのキャラクターに強く思い入れを抱くタイプで。時として強すぎなぐらい(笑)思い違いも少なからずあると思うし(苦笑)
でも小山田にはそういう思いを殆ど抱かない。
別に彼がどういうヤツでもいいというか、作品に込められた思いみたいな部分も割と気にならない。
ただ、ひたすら音が気持ちいい。それ以外はどうでもいいし、要らない。
コレって俺のここまでのロックの聴き方と比較すると革命だったよ、ホントに。
「特に高い機材を使ったとかはない。自分の耳は信用したかな?」と言ってたけど、実際、音響的にも素晴らしい。立体感と奥行きある音。
俺がこのアルバムの後、チープなコンポからボーズに買い換えたのもコレを良い音で聴きたかったからだったし。
あんまり聴いてないクセに偉そうなこと言えないけど、この時期、ロックと呼ばれる音楽の中でも世界レベルで最先端だったんじゃないかな?このアルバム。
12年経った今でも全然古びてないと思う。
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