死人が歩いてるように
内容の是非については理解出来てると言い難いので良い悪いは言えない。でもゴリ押しは良くない。不信感を強めるだけ。
この先、どうなっていくんだろう?何を信じればいいんだろう?
昨日、ベランダから朝焼けを眺めながらいろんなことを考えた。
たとえば、誰かに対して腹が立ったり、カッときたりした時、‟待てよ?”と頭を冷やして考えることが(少しだけど)出来るようになったのは最近のことだ。
‟向うも悪いけど俺にもそう言わせたりさせたりする原因があった”と相手の立場も考えられるようになった、ちょっとは。
だいぶ遅かったとは思うけど、最後まで気づかないままじゃなくてよかった。
一昨日の休日、ストーンズを聴く合間に、『デッド・マン・ウォーキング』という映画のDVDを観た。
死刑囚マシュー(ショーン・ペン)と彼の精神アドバイザーを務めたカソリックの修道女ヘレン(スーザン・サランドン)の心の交流を綴ったノンフィクション。95年作。
公開時、8年ぶりの復帰作リリースを間近に控えたパティ・スミスの新曲が収録されてるということでサントラ買ったものの映画自体を観てないことを思い出して・・・。
で、観てみたら・・・。
はっきり言ってストーリーがストーリーなだけにかなり重い。
監督ティム・ロビンスは死刑反対派らしいけど、‟死刑制度反対!マシューが可哀想”なんて死刑囚に肩入れ出来るような安直なモノにはなってない。
マシュー、ヘレン、マシュー(と相棒)に殺されたカップルの遺族、マシューの家族、刑務所の看守、ヘレンの周りの人たち・・・。
それぞれの立場、視点が丁寧に描かれてて、発言や行動に必然性が感じられる。
単純に‟こっちが良くてあっちは悪者”とどれかに感情移入出来ない。逆に言うとどの立場にも感情移入出来る。
実際、物事というのはそんなに単純に白黒を決められない複雑なことが多い。だから悩んで葛藤するんだと思う。
マシューの最後の言葉、アレが監督の想いなんだろうな。
‟許す”ことの難しさ。それがこの映画のテーマなのかも。あのセリフ聞いたら、そんなふうに思えた。
サントラの話。
パティは妙にカラフルだったひとつ前の『ドリーム・オブ・ライフ』と比較するとパティそのものな雰囲気で嬉しかった、聴いた時。ギターはトム・ヴァーラインだし。確か、初来日観た時にも唄ってくれたと思う。
実際に映画で流れるのはブルース・スプリングスティーン、ジョニー・キャッシュ、エディ・ヴェーダー(パール・ジャム)とヌスラット・ファテ・アリ・ハーン(パキスタン出身の宗教音楽シンガーらしい)の共演2曲の計4曲でパティを含む残り8曲は監督の依頼でラフ編集のフィルムを観てアーティストが書いたモノ。
スザンヌ・ヴェガ、トム・ウェイツetc。自作は無いものの、数曲のプロデュースやギターでライ・クーダーも参加。
一見バラバラなようでいて不思議と統一感があるのは、それぞれにルーツにフォークやカントリーがあるからかもしれない。
Bruce Springsteen - Dead Man Walkin'
最後にこの曲が流れた時、何とも感慨深くなった。
深く考えさせられる素晴らしい映画だと思う。
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