溺愛③/仰げば尊し
いよいよだ。あと少し。
毎年、この日かこの時期に書いてるこの曲のお話。
アイディア的には完全に『マイ・ウェイ』だよね、ピストルズの(笑)以前、ミチロウの「もっと前にスターリンでやろうと思ってたんだけど、メンバーが『ピストルズの真似だと思われたら恥ずかしいから嫌だ』って言っててポシャった。恥ずかしがるような顔してないのにね」って発言を何かで読んだ記憶が・・・。
この曲にはそれはそれは個人的な思い入れがある。運命的なモノすら感じるぐらい。
てことで、個人的ミチロウ偏愛記、その3。
何度か此処にも書いてるけど、俺はダブって高校2年生を2回やってる。かろうじて3年に上がれることにはなったけど同い年のヤツを見送ることになってしまったのが84年3月。この曲の入った『ベトナム伝説』(ザ・スターリンが『虫』のツアーの後、空中分解して休止中にミチロウが作ったカセットブック)が発刊されたのは84年4月10日。
ダブってもニブくてず太い神経の持ち主だった俺はタメのヤツが学校に居る間はそれほど違和感を感じてなかったんだけど、さすがに卒業して居なくなられちゃったらね・・・。何とも感慨深い思いで聴いてたよ。
宝島のカセットブックは第4弾ぐらいまで出たんだっけ?コレが第1弾なんだよね。音だけはCD化されてて聴けるけど、いつか本の方も復刻させた再発をして欲しいな。蛭子さんが描いたミチロウが演歌歌手になってる漫画とか秀逸だったし。最初の画像は同年7月にミチロウのマネージメントオフィスだったBQから出されたシングル盤。このえげつないジャケットがいいなぁ。
翌85年2月1日、ザ・スターリン解散発表後に東芝EMIより再度リリースされたシングル。オープニングの女声合唱のパートの縮め方が若干違うけど同じテイク。ジャケは当たり障りないカンジ(笑)ちなみにB面はBQ盤が「お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました。」、EMIの方が「お前の犬になる」。どちらもカセットと同じテイク。
遠藤ミチロウ - SCHOOL’S END
それを先行シングルみたいな形にして3月30日にEMIから出たミニアルバム、『THE END』に収録されたグロテスクに変わり果てたバージョンがコレ。コレはコレで好き。♪ガッコー出たら未来はバラ色♪いつも思うけど、このジャケットのミチロウはサイコーにカッコイイよなぁ。
宝島がカセットブックを足掛かりに発足したキャプテン・レコードから86年1月にレコード化されたLP(後にCD化もされたけど俺は未入手)と2003年5月に自身のレーベル、北極バクテリアより出たCD。コレにはボーナストラックで2002年のTOUCH‐ME(ミチロウ&中村達也)の「仰げば~」が収録されてる。今のところ、TOUCH‐MEの公式音源はコレ1曲のみ。
そうそう、EMIからの2枚の間、85年2月21日にはザ・スターリンの解散ライヴがあったんだよな。前にも書いてるけど、今度は卒業を賭けた単位取りが危うかった俺はその前日、2月20日に最後の難関、数学の単位を教師のお情け(未だに感謝してます、高島先生!)で取らせてもらって。卒業出来ることが決まった翌日に聴いたんだよ、ザ・スターリン最後の「仰げば尊し」を。
ザ・スターリンの活動期間はほぼ俺の高校生活期間と一致。俺が夢中になったのは82年の『STOP JAP』からだけど、ホント、家族からも友人からも気が狂ったんじゃないか?と思われるぐらいに夢中だったんだ、スターリンに。俺、誕生日5月だから、この3ヶ月後には20歳になるんだけど‟スターリンが終わる、俺の10代も終わる”って思ったらグワ~ッと気持ちが昂ぶって。あの時、「仰げば~」を唄うミチロウを観てた空気とあの気持ちは生涯忘れないと思う。
最後にもうひとつ。
FM フレッシュ・ウェーブ - 遠藤ミチロウ 1983 [Pt.3 of 3]
リリースから遡ること約半年前、83年11月にFM東京の自主制作レコードを扱う番組に出演した(というよりミチロウが仕切ったみたいなカンジだった)時に‟究極の自主制作”ということで「生演奏を、番組聴いてるみんなが録音しちゃえば自主制作は完結する」とか言って演奏されたバージョン(8:00ぐらいから)
メンバーが『ベト伝』リリース時の、それまでと一新されたザ・スターリンのメンバー、JUN(ウィラードのヴォーカル)、テルヤ(スターリンの前身バンド、自閉体のギター)、イヌイジュン(ミチロウが最初に組んだバンド、コケシドールから一緒でこの時に復帰したオリジナルドラマー)なのがレア。このメンバーの音源は『ベト伝』収録の「渚の天婦羅ROCK」1曲のみだから。JUNとテルヤは全曲参加だけどジュンちゃんはリハだけやって事情があってレコーディングには参加出来なかったようなので。結局、ライヴも6回しかやらなかったみたいだしね、このメンツでは。JUNがウィラード復活させるので脱退しちゃったから。
いつか、このバージョンもCD化されないかなぁ?
2月20日に急病で入院して療養中のミチロウ。
経過良好のようで復帰も近そうだ。
まだまだずっとずっと唄い続けてほしい。
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