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目の前5センチの真実

インフルエンザによる強制出勤停止も今日で終了。

明日からまた普通に勤務。

しばらくは、しんどいことが予想される・・・。借りは返さなきゃな。

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昨日、外出禁止令を4日目にして破り水戸へ。

もう、退屈で退屈で・・・。完全に調子戻ってたしね。あっ、勿論、マスク着用で。用事済んだらすぐ帰ってきたし。

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原作がとても良かったこの映画を観たくて。

湊かなえ原作、中村義洋監督作品の『白ゆき姫殺人事件』

湊、中村両氏ともに、幾つか作品は楽しんでて優れた作り手だという認識は持ってたけど、それよりも、‟ネット炎上がテーマ”というのに強い興味を持って原作を読んで、映画もどうしても観たくなって。

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本も相当よかったけど、映画も双璧するほどいい。さすが、原作に大きく共感して解説まで書いた(コレがまた素晴らしい)人が撮っただけのことはある。

本には無い追加されたシーンも自分の個性を出すというより、原作の世界を更に突き詰めて強調したカンジで深く印象に残った。

SNSに翻弄される登場人物たちを嘲笑うようにコミュニケーション・ツールとして使われる蝋燭。

そして、現代社会を反映する物語の典型的な、いや極端なキャラクター、赤星の空恐ろしいほどの‟薄さ”が表現されたラスト。

キャストに贔屓の人は皆無なのにバッチリの印象の役者陣、とりわけ、この赤星を演じた綾野剛は素晴らしかった。ホントにこういう薄っぺらいヤツなのでは?と思わせるぐらいに。

あとは、実は狂言回し的存在の、主人公・城野美姫(井上真央)の幼馴染み、谷村夕子(貫地谷しほり)が最高。

「美姫が可哀想!」的な感想も多いだろうけど冷静に考えると彼女の言葉だって、夕子の言い方を借りると‟自分に都合のいい妄想と捏造”の末に盛ったものかもしれない。故意かどうかは別にして。

嘘をついてるつもりじゃない人も含め、誰ひとり100%の真実は語ってない、語れない中、引き籠りで社会的には一番アウトな夕子だけが本当のことを言ってるのかもしれない。彼女だけが唯一、都合のいい妄想をする必要のない立場だから。

夕子に「自分の目の前五センチくらいのところしか見えてねえもんな」と言われた赤星の取材に応えて、それぞれの‟目の前五センチ”の真実として語られるそれぞれの回想シーン。何度も出る同じ場面が語り手によって印象が変わって見える演出は見事と言うしかない。誰の‟目の前五センチ”かで全然違う。

だからと言って、「みんな、嘘ついてて酷い、おかしい」っていうんじゃなく、この程度のことは誰でも(勿論、俺も)やってること。意識する、しないに関わらず。それがもしかするとこういうことにまでなっていくかもしれないのが怖いって話で。

現代的であると同時に物凄いリアルで身近なシチュエーション。

個人的にここ10年ぐらいに観た邦画で一番の傑作と思ってた『ゴールデンスランバー』をもしかすると上回るかも。

ひょっとすると天才なのかもな、中村監督。風貌は冴えないけど(笑)

あとは重要なモチーフとして劇中に出てくる『赤毛のアン』を読んでみたいな。恥ずかしながらちゃんと読んだことないから。

目の前五センチ、いや、それ以下かもしれない視界しか持ててない俺もいろいろ考えさせられたよ。

ここのところ、考えを巡らせてた自分のネットの使い方も見直すかも。

1センチでも1ミリでも伸ばしたいもん、自分の真実を。

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