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悪い子なんて何処にも居ない

今更だけど、スゴいね、あの17歳の少女。

ああいう子が居ると、もしかすると世界は変えられるのかもしれない、なんてちょっと思った。

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まだ続く先月の素晴らしすぎたおでかけの時絡みのネタ。

今回の道中のバスで読んだ大好きな伊坂幸太郎、04年初刊の『チルドレン』の文庫本。

陣内という自分の物差しで生きる男を、彼に近しいそれぞれの人の視点から描いた5つの短編集。(2章の「チルドレン」と4章の「チルドレンⅡ」はどちらも陣内の仕事の後輩、武藤の視点)

伊坂作品のキャラはどれも魅力的で個性豊かな人物が多いけど、この陣内はホントにいい。身近に居たら面倒臭くて疲れそうだけど(笑)

独自の価値観持ってても人にはそれを押しつけなければスマートでカッコイイのに彼は滅茶苦茶、押しつける。でも憎めないし、うんざりされつつもいつのまにか周りを巻き込んでしまうオーラとパワーがある。人の意見に全く耳を貸さない訳じゃないし。

1、3、5章が彼が大学生時代、先述の2、4章が学生時代に目指してた家裁調査官になってからのエピソード。

時系列ではないその順番も伊坂お得意の張り巡らせた伏線で楽しく読み進められる。

他の作品同様、思わず引用したくなる粋な台詞のオンパレード。その中のひとつ。

「少年と向かい合うのに、心理学も社会学もないっつうの。あいつらは統計じゃないし、数学でも化学式でもない。だろ?それに、誰だって自分だけはオリジナルな人間だと思ってるんだよ。誰かに似ているなんて言われるのはまっぴらなんだ。俺は、ジョン・レノンに似ていると言われるのだって我慢できないね。それなのに調査官が、『ああ、こいつはこういう家庭環境のパターンね』『これは以前扱った非行と同じケースだね』なんて型にはめられたら、愉快なわけがない。だろ?調査官は、担当する少年が、『他の誰にも似ていない、世界で一人きりの奴』だと思って、向かい合わないと駄目なんだよ」

家裁調査官となった陣内が「少年犯罪のパターン」うんぬんと上司に言われた時の返し。

カッコイイ。

何となく思い出したのはこの曲。

Johnny Thunders - Children

♪批判の中で育った子供たちは非難することを学ぶ

 敵意の中で育った子供たちは喧嘩の仕方を学ぶ

 嘲りの中で育った子供たちは恥ずかしがり屋になる

 憎しみの中で育った子供たちは自分を憎むようになる

 子供たちだって人間だ

 俺や君のように♪

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JOHNNY THUNDERSの91年4月、死の直前の最後の来日公演を収録した『SADDSET VACATION』にボーナストラックとして入ってた曲(新宿アンチノックでのアコースティック・ライヴより)

それまでの三度の来日でお決まりの選曲でお決まりのライヴをやってたジョニサンがようやく見せた新境地。俺の行った日にはこの曲はやらなかったけど、他にも複数の素晴らしい新曲が披露されて驚いたんだよな、今になってそんな曲書くとは思わなくて。結局、これらの曲のスタジオバージョンを残すことなく逝ってしまったんだけど・・・。

Johnny Thunders-Children Are People Too

俺は持ってないけど、当然ながらあるそれらの曲のデモを集めたブートから。

冒頭の「there’s no such thing as a bad kid」ってセリフがいいなぁ。

陣内の台詞をもうひとつだけ。

「子供のことを英語でチャイルドと言うけれど、複数になるとチャイルズじゃなくて、チルドレンだろ。別物になるんだよ」

カッコイイよな、言うことが。

4章の「チルドレンⅡ」のエンディングを読んでた時、バスの中なのに気持ちが昂ぶってじわっときちゃった。

陣内が、大きい目をぎょろぎょろさせて、殺気立った表情で聴く者の身体を刻むようにギターを弾く「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」のパンク・バージョンを俺も聴いてみたい。

 

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