浮かれた後のクヨクヨ
まだ心の準備が出来てないのに・・・。
ここのところ続いてる俺のクヨクヨ・フィーリングを年度の切り替えと同時に替えるつもりが大失敗(苦笑)
たそがれ気分になるのを覚悟で、それすらも楽しむつもりで出かけたらガツンと来ちゃって(笑)馬鹿だな、俺は。
ていうか年度初日に休んでよかったのかな?立場的に。
なんか、もうどうにもでもなれってカンジ。このヤケクソ気分をプラスに転化出来るといいんだけど。
10日ほど前に入手してから毎日聴きまくってるコレが最近の気分にあまりにもぴったり。
IGGY POP、3年ぶり(ソロ名義では4年ぶり)の新作アルバム、『POST POP DEPRESSION』
‟ポップ後の落ち込み”とでも訳せばいいんだろうけど、個人的には自分の現在状況から自己投影して‟浮かれた後のクヨクヨ”と解釈したい(苦笑)
オルタナ系のトップ・バンド(勿論、俺は名前しか知らなかった・笑)、クィーンズ・オブ・ストーン・エイジの中心メンバー、ジョシュ・ホーミとがっぷり組んでディーン・フェルティタ(クィーンズ・オブ・ストーン・エイジ、デッド・ウェザー)、マット・ヘルターズ(アークティック・モンキーズ)という最強メンバーによるスペシャル・アルバム。
ボウイとのコラボ作、『イディオット』と『ラスト・フォー・ライフ』の続編。
イギー本人が「俺の最後のアルバム」と宣言する話題作。
リリース前の、こんな情報で身構えちゃって、つまらなかったら、理解出来なかったらどうしよう?って不安もあった。メタリカと組んだルー・リードの最後のアルバムのことが脳裏をよぎったりもして。
実際に聴いてみたら、ここのところの作品とは明らかに違う緊張感を感じた、初聴きの時から。
ここ10数年、いや20年ぐらい繰り返されてきた、ファンのイメージに忠実な‟暴れん坊イギー”とも、その反動の‟シリアスでメランコリックなイギー”とも違う、かつてない新境地。
雰囲気としてはタイトルどおり、後者に近いものがあるけど、これまでのそういう作品と違ってかなりコンテンポラリーな印象。閉じてない。これは参加メンバー、特にコラボしたジョシュの貢献が大なのかもしれない。コラボの試みはパンクの時代からあったイギーだけど、ジョシュはボウイ、スティーヴ・ジョーンズ以来の成功例かも。10数年前の‟なんとか41”とか‟緑の日”とかと組んだヤツ、大っ嫌いだったから不安だったけどホント、よかった。
ただ、ひとつ言っておくと、こういう事前データで‟スゴイ!良い!”と思ってるんじゃない。先述したように、それはある意味、不安材料だったし。
実際に出てくる音が有無を言わさずスゴイ。イギーは元々、歌の上手い人だけど、それがよく活かされてるし、サウンド・プロダクションもとてもいい。聴いてて気持ちがいい。特にベースの響き。と思ってクレジット見たら、ベースが特出してる曲はプロデュースも務めたジョシュ本人が弾いてた(笑)9曲・41分半っていうのも潔くていい。
イギー作品では『アメリカン・シーザー』以来、『アヴェニューB』以来の傑作という意見もあって、それに共感する部分もあるけど、個人的に傑作と思ったイギー&ザ・ストゥージズ名義の前作、『レディ・トゥ・ダイ』と対でイギーの最後の本気作って感じる。
本当にラスト作かどうかは別にしてコレが最後でもいい。本人もそう思ってるから言ってるんじゃないかな?
♪死は飲み込みづらい錠剤だ
俺はすべてを備えた男じゃない
名ばかりの男さ♪
「アメリカン・ヴァルハラ」
♪まだ何か手に入れようっていうのか?
必要なモノはすべて手に入れた
でも、その所為で死にそうなんだ♪
「サンデー」
♪人生を愛する気持ちが空っぽの浜辺だとしても泣くな
敵に追い詰められても死ぬな♪
(「チョコレート・ドロップス」)
‟役目を終えた後、自分はどう生きていくのか?”というのが今作のテーマらしいけど、確かに、イギーらしい、オブラートに包まないストレートな言葉が並んでて壮絶。
特に最後のこの曲。
Iggy Pop - Paraguay
♪俺は新しい人生に向かって出て行くことを夢見てる
そこではくだらない知識なんか要らない
こんな情報、まったく欲しくない
お前なんか欲しくないんだ
嫌だ
もう要らない
そうさ、お前に言ってるんだよ
いかがわしい二つの顔と三つの股を持つゲス野郎
だって、もううんざりなんだよ
それはお前の所為なんだ
だから俺はもう自分を癒しに行くのさ♪
途中で転調するところでゾクッときたよ、最初に聴いた時。
『レディ・トゥ・ダイ』も驚いたけど、まさか、次にこんなの作るとは。
ずっと聴いてきてよかった。
ありがとう、イギー。
力貰えた。
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