リョウくん、おかえり
‟長く伸びた自分の影を踏まずに俺は、今、どの辺を歩いてるんだろう?”
いよいよ具体的になってきた。こんなことしてる場合じゃない、のかな?やっぱり。
でも身体は此処にあっても俺の心はまだ今池にある。もう一週間経っちゃったけど。
「リョウ!」
「リョウジオ!」
ギター・チェックに独り出てきた良次雄に飛んだ熱くてあったかい声援(俺含む)。みんな待ってたんだねぇ。
そんな声の中、俺がブルッときたのは「リョウくん、おかえり!」のひと声。
この日のTHE GODは一言で言うとコレに尽きる。
この日は良次雄の久々の名古屋凱旋ライヴだったのは間違いのないところだけど‟帰って来た”のは名古屋にだけじゃない。良次雄は、‟こっち側”に‟還ってきた”。俺はそう感じた。
地元じゃ孤独な俺だけど(笑)ハックフィンには沢山居た仲間が口々に言ってた「昔のリョウみたい」なその出で立ちと佇まい。そして力強くキレッキレなギターの音。
復活後はNONに任せてた『ブルぶる』や『ROCK’N ROLL I.D.』の自分が唄うパート(♪Hey Girl~♪の箇所や♪ギミギミファンタイム♪の箇所)も完璧に唄いきった。確か復帰後はじめて。
アイコンタクトというか合図を出してバンドを引っ張ってたのも、この日は良次雄だった気がする。
『ブルぶる』の間奏後、エンディングに行こうとしたNONに「ハシュパピ」って囁いて、もう1回唄うように促したのを目の当たりにした時は鳥肌立ったよ。自信に満ちた余裕綽々な表情がもう嬉しくて嬉しくて。俺は『ブルぶる』がこの日は一番グッときた。エンディングでキンちゃんが弾いたジョニサンの「ボーン・トゥ・ルーズ」のフレーズまで含めて。
この日のセットリスト。
『speaker to animals』と『i’m not a soldier』の曲+新曲(3曲!)のみだったのは、今、このメンバーでやってるという誇りと拘りだったのかもしれない。キヨシが戻ってきて1発目の稲生座の時と同じく『BAND AIDS』でスタートしたのも‟仕切り直して、も一度最初っから”ってことなのかも。もう、全然、あんなもんじゃないんだぜって。
『ブルぶる』以外で特に良かったのは・・・。全部(笑)いや、マジで。『 I.D.』は過去最高だった前回を更新してたし。
新曲はファンキーなロックン・ロールの『泳いでいこうか』、ブルージーな『シンプルマン』、アップテンポでノリノリな『ハンガーガール』。どれもがよかったけど、断片的に聴こえてきた言葉に改めてNONの詩の独自なカッコよさを思い知ったな。曲調はバラバラながら、どれも‟今”を感じさせる揺れたイメージで、おこがましくも同じく揺れる50代(笑)としては共感出来るところ大だった。あんな歌詩を書く/書けるヤツ、他に居ないよなぁ。
そうそう、良次雄だけじゃなくNON!いつもながらの絶好調ぶり。サイコーにトッポくてイカレてて。声も昔と全然変わらない。もう、ずっと、30年以上、病みつきだから、あの声に。MCで言った「ロックンロール、好きになってよかったね、みんな。サイコーだよな」のひと言にゾクッときたのは俺だけじゃない筈。今までより良次雄との絡みも目立ってたね。たくさん写真撮っちゃったよ。絵になるんだよなぁ、この2人。最強のロックンロール・コンビ。
キヨシは今までより真剣なカンジがした。いつもは楽しそうに、他のメンバーに合わせてラフにノッてる印象だったけど、今回はきっちりやりきろうとしてるように見えた。『今更の女』や『らせん階段のブルーズ』に顕著だったこれまでと違う叩き方について、終演後に聞いてみたらピンと来てないみたいだった(笑)もしかして無意識なのかな?サイコー。
キンちゃんは逆にハジケて思いっきり弾いてた。過去2回では良次雄を刺激していいフレーズを引っ張り出そうとしてるように見えてたのに、この日はあろうことか良次雄に刺激されて熱くなってる場面すらあったと思う。観てて頬緩みっぱなしだった。
Hagalは意識的に目立たないようにしてるふうに見えた。火がついて最高のプレイをしてる4人より前に出ちゃいけないと思ってるみたいな。それでもベースが耳に入ってくるからスゴイ。あれだけ唄える人なのにコーラスさえしなかったんだよ。時折、口ずさんでたけどね、オフマイクで。
本編最後の『山あり谷あり』が始まった時、「名古屋だし、もしかして?」と秘かに期待してた『ストリートジャンキーブルース』は無いんだなと思って、ちょっと残念に感じてたらブレイク後に挟むという嬉しすぎる反則技。いちいちやることがニクい!
アンコールは『らせん階段』と二度目の『常識』。『常識』ではキンちゃんがマイクをこっちに向けてきて仲間と一緒にコーラスしちゃったりして。俺は孤独じゃないと思えたよ(笑)
それにしても良次雄、ホントに‟還ってきた”ってカンジだったな。今は2017年で80年代じゃないけど、それでもさ。
‟あの”下唇突きだして弾く顔(by三重の同士)とかねぇ(笑)ずり下がってきたズボンを、くいっと上げてる姿を見てたら「誰か悪いんだけどベルト貸してくれない?」って客席に言ってきた四半世紀以上前の代チョコの夜を思い出したよ。
バンドはファンの為にやってるんじゃない、そうあってほしくない、やりたいことをやってほしい、ってのが俺の考えなので、ああしてほしい、こうしてくれって本当は言いたくないんだけど。
でも言うね。
リョウちゃん、もう何処にも行かないで。
ずっと此処に居てね。
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コメント
最高!!流石GOD教授!
この日のライブ、全てはブログタイトルに行き着くとオレは思ってます。キレッキレの良次雄にさせたのも必然!NONと共に恐るべし50代!!
いかん、書くコトが無くなった(笑)
投稿: みん | 2017年6月 4日 (日) 22時51分
>みん様
書こうと思ったとき、真っ先にタイトルは決まりました。
コレしかないって思ったもん。
それにしても名古屋でNONと良次雄が作った新曲を聴く日(しかもドラムはキヨシ)が来るとは思いもしなかったね。
みんさん、時間かかっても絶対、書いてね。
俺、本当に心待ちにしてるんだからさ。
投稿: LA MOSCA | 2017年6月 6日 (火) 21時46分