I KNOW YOUR NAME
さっき、月が赤かった。
今日は随分暑くなったな。いよいよ夏、かな?
名古屋遠征のお供に持って行って、1ヶ月ぐらい前に読了した、この本のことを書いてなかった。
伊坂幸太郎の短編集、『首折り男のための協奏曲』
3年前の単行本が昨年末に文庫化されたモノ。
帯や裏表紙に書かれてるほどには繋がってない7つのショートストーリー。
人間違い、人違い、濡れ衣、身代わり、いじめ、時空のねじれに逆回転、キャッチボールにピアノにクワガタに化学記号。偶然と必然、そして運命。
首折り殺人鬼と、お馴染み泥棒で探偵の黒澤が居たり居なかったりの展開。
恒例の印象的だった台詞を幾つか。
「大人になっても人生はつらい?」
「子供の頃より今の方がよっぽど自由だよ。人生はガキの頃の方がつらい。今だって嫌なことはたくさんあるけどな、学校に行って、あんな狭いところで苛められたりしてた時に比べれば。とにかくガキの時の方が我慢することが多かった」
「たった八時間の思い出を五十年経っても大事にしてるなんて」
「昔見た、カール・ルイスの百メートル走は、ほとんど十秒ぐらいだったが今でもよく記憶している。思い出は別に、時間とは関係がない」
「安全地帯から文句を言うだけなら、ただの、謙虚さをなくした評論家だ」
「どうすればいいのかは分からないので、いろんなことにクヨクヨしていくしかないです」
怪談仕立ての『相談役の話』も斬新な構成に持ってかれる『合コンの話』もよかったけど、一番印象に残ったのは、気が利いてロマンチックな、『君の名は』へのオマージュのような『僕の舟』
ちょっと出来過ぎのような気もしなくもないけど読後の心地良さではコレ。
四日間、八時間の五十年後と一日、一時間の六十年後。
無理矢理気味にこじつけるのは、この曲。
Beatles - You Know My Name (Look Up The Number)
ジョン「もともとはフォー・トップスのような曲にするつもりだったんだけど、先に進まなくて、結局は冗談にしてしまった」
ポール「もしかしたらビートルズの曲で一番好きかもしれない。メロディが素晴らしいワケでもなんでもないけど、あのレコーディングはサイコーに楽しかった。思い出深い曲なんだ」
たまんないなぁ、こういうの。絶対に名曲とかじゃないけど俺も好き。
そういえば純一郎にも同名異曲があったな。
♪You Know My Name 君の名前を呼ぶときは
You Know My Name 時間はまぼろしさ♪
そして彼の兄貴分は約四半世紀前に「I KNOW YOUR NAME」という曲(未レコーディング)を唄ってた。
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