奥行きの深い日々(終)
何も知らないまま10年が過ぎてしまった・・・。
‟歳を食うと時間の流れを早く感じる”というのはよく言われることだけど、もっと言うと自分の行動ペースが堕ちるからそう感じるんだと思う。俺もこの数年はビビるぐらい痛切にそれを感じてる(苦笑)
書くのは勿論、読むのもめんどくせーもん、最近の『奥行き』。一番の愛読者は俺なのにこうだもんなぁ(苦笑)
さすがに‟あっという間だった”とは言わないけど、早かった、この10年は。
そうは言っても、こんな俺でもいろいろあったけどね。
役割を書き換えられたから台詞を習ったり。訣別、諍いみたいなこともあった。近しい人との永遠の別れも幾つか経験した。そして311。
清志郎、ロン、スコットのアシュトン兄弟&スティーヴ・マッケイのストゥージーたち、タム、ルー・リード、川田良、ボビー・キーズ、記憶に新しいマリ、耕太郎、伊藤耕、そして今朝知ったマルコム・ヤング。
聴いてただけじゃなくライヴを観たことがある人だけでもこれだけの人が虹の向こうに行ってしまった。
でも嫌な、辛い、悲しいことばかりじゃなかったよ、当然だけど。
嬉しいことや、奇跡のような出会いが幾つもあった。
レコ屋廻りやお出かけを再び楽しめるようにもなって。数々の音源と嬉しい出会いがあった。
2008年2月10日に武道館に居れたことや、2008年11月29日~2015年3月12日まで全8回の小川屋に完全出席出来たこと。2013年1月24日と2014年3月6日 の嬉しい再会。愛するおデブちゃんのコレも。
そして極めつけが奇跡の復活から3年を経てのコレ。
the GODの、明々後日に公式リリースされるミニアルバム、『I space smile』(コチラもよろしく!)
前作、『ジャー・ポンク・ミュージッカ・ナウ』から10年、NON参加作としては『タロット・ロックス』以来25年ぶり。
the GODの、しかもNONと良次雄が再び組んだ作品をまた聴けるなんて20年前、いや10年前はおろか復活後ですら、これっぽっちも思ってなかった。
正直言うと出してくれるだけでよかった。内容なんてどうでもいいと思ってた。
でも、いいんだよ、コレ。物凄くいい。
1曲目、タイトル曲の良次雄の、『ロー・パワー』のジェイムス・ウィリアムソンのようなカミソリみたいなギターとキンちゃんのハートブレイカーズの頃のジョニサンみたいなギター。良次雄独特の言語感覚なタイトルとそれにぴったりハマったNONの歌詞。
始めて3年とは思えないHagalの弾むベースとさすが!なキヨシのグルーヴィーなドラミング、NONの‟今”を感じさせる歌詞がサイコーな「泳いでいこうか」。トータルな完成度では収録曲の5曲中、コレが一番かも。
5曲中、一番、過去のGODを彷彿とさせて思わずニヤッとしちゃうブルージーな「シンプルマン」。今池のやぶ屋でNONが俺の隣りで唄って聴かせてくれたのはコレ。
シンプルでストレートなのに妙に残る、「ハンガーガール」のキレッキレッで溌剌とした演奏。
そして最終曲、良次雄のギター1本に乗せて2人が声を重ねる「ドレスの男」
俺、「ドレスの男」が一番かなぁ、どれもすごい好きだけど。
♪魚と武器は 海にほおった 鳥が食べないように♪
此処で唄われてるのは希望とやさしさだと俺は思う。それもありきたりじゃなくGODにしか出来ない言い方の。
エンディングでの‟I Love, Baby”ってNONの囁きを考えるとラヴソングでもあるのかもしれないな。
ユージ画伯の手によるジャケを眺めてるとこの曲が脳内プレイヤーで鳴るんだよな。素敵なジャケだよ、コレ。彼が描いてくれたNON&良次雄の絵は俺の宝物の1つ。
the GOD/I space smile
20年以上、‟ないだろうな、でも・・・”と忘れずに、諦めずに居てよかった。最後にこんなのを書けるなんてホントに嬉しい。人生は素晴らしい。生きててよかった。
何を大袈裟なって?
俺を知る人の大半は俺の異常なまでのGOD好きを認識してくれてると思うけど、皆が思ってる以上なんだよ、俺のGOD愛は(笑)そんなもんじゃないの(笑)
俺がこの作品の広報活動をなりふり構わずしたのは勿論、フライヤーたくさん貰ったっていうのもあるし、バンドに喜んでほしいって気持ちもあったけど、それよりも聴いてほしい、聴いた事ないだけで聴けば好きになる人がもっと居る筈って想いがあったからなんだよね。そしてコレが売れて次も作ってほしいから。
この先の展開を考えるとまだ死ぬワケにはいかねえなぁ(笑)
『奥行き』は今日で終わるけど、俺の日々は、音楽を求める日々はまだ続く。
自分が今、どの辺を歩いてるのかはわからないけど、残された時間を出来る限りスマイルで埋め尽くしていきたい。
目指すは‟あのフラットな”極限の自由!
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